私は今、実家に住んでいる。
実家には猫がいる。
今年3月にやっと1歳になる。体格は一人前だがまだまだ幼い猫だ。
メスの雑種。
たぶんマミタス様と同じ種類。
名前は「ナナ」だ。
余談だが、沖縄では“女性の名前2文字を伸ばす”という謎の風習があり、
「りさ」なら「りーさー」、「あい」なら「あーいー」と呼ばれるのが一般的だ。
例によってナナも「なーなー」と呼ばれている。
しかし私は可愛さあまって「にゃんにゃん」と呼んでしまう事がある。
「にゃんにゃん、おいで〜♡」
「にゃんにゃん、ふわふわだねぇ(*´ω`*)ぐふふふ」といった具合だ。
呼ぶと「にゃぅ?」と返事をして見つめてくる。
なんだこいつは・・可愛さの権化か・・・
ネズミ対策には猫だ
ところで、うちの両親はあまり動物が好きではない。
猫を飼う事になったのもネズミ対策という昭和みたいな理由だ。
以前は母が毎日ネズミとトムジュリ並みのバトルを繰り広げノイローゼ寸前だった。
母の口からよく「あいつらは賢い・・・」という言葉を聞いたものだ。
ネズミのことを「あいつら」と呼んでる時点でなんかもうヤバイなと思ったものだ。
猫が来てからは一切ネズミの影が無くなったから面白い。
そのせいあってか、珍しく母は猫に甘い。
まるで自分の娘のように可愛がっているので、私は今頃自分に妹ができたような気持ちになっている。
末っ子の座をすっかり奪われてしまった。
しかし父は甘くない。
60歳を超えた昔の人間なので「動物=家畜」という思考が根付いている。
“ペット”の概念があまり無い。
猫に対してメロメロになることもなく、“あぁ、猫か”くらいクールな対応を決め込み、厳しく躾けている。
ちょっと邪魔な場所に猫が寝ていたりすると迷わず叩きおこす。
怒るなかれ猫派の者達よ・・・
その昔、
可愛がっていたヤギが目の前でヤギ汁にされるという、聞いただけでこっちが泣きたくなるような経験を送っている父の少年時代を思うと、誰が彼を攻めることができるだろうか・・・
にゃんにゃん事件
そして事件は起こった・・
私はいつものように猫と遊んでいた。
そしていつものように
「にゃんにゃん、可愛いねぇ♡ ポンポン(お腹)ふわふわだねぇ(*´ω`*)ぐへへへ」と猫パンチをくらいながらも戯れていた。
そんなことしてる場合じゃ無いだろ無職!
とかそういう辛辣なツッコミはとりあえず一旦置いててほしい。
そこに父が外出から帰ってきた。
我が家は室内飼いを徹底しているので、猫を外に出さぬよう、玄関の開け閉めは最重要注意事項だ。
私「ちょっと待って、今猫いるから開けないで!
にゃんにゃんダメだよ。こっちおいで!!にゃんにゃん、おいで!」
父「にゃんにゃん、あっち行って!」
にゃ・・・
にゃんにゃん言うたーーーーーー!!!!!!
あんなに猫に対してクールを保っていた父が・・・
にゃんにゃん言うたーーーーーーー!!!!!
あまりにも不意打ち過ぎて、
「お前も“にゃんにゃん”って呼ぶんかーーーい!」ってつっこむタイミングを完全に逃してしまった。
しまった・・
そのせいで、なんか今も“にゃんにゃん呼び”が続いてる・・・
もう今更つっこめないんだけど。。。
「にゃんにゃんはそろそろご飯の時間じゃないのか?」とか言ってくる・・
どうしよう・・・もう呼びかただけじゃなくて、猫のご飯時間のことも気にし始めてる・・
めっちゃ好きじゃん!
めっちゃ猫のこと好きになってるじゃん!
デレが隠しきれなくなってるよ!!!!!
可愛い(猫)は正義
猫さまはやっぱりすごいです。
頑なだった父の心まで溶かしてしまいました。
少年時代のあのヤギのトラウマも、猫さまの力で浄化されてしまったのかもしれません。
よかったね父上・・
大丈夫だよ。
猫が猫汁になることは無いから・・!!
子供の時にできなかった“動物を可愛がる”ということを、
60歳を超えた今、やり直そう。