※最初に言っておきますが完全にしょうもない記事です。あしからず。
僕は原宿にいた。
この街には
残酷さと鮮やかさが詰まっている。
”東京”という都市に極彩色を塗りたくるような
乱暴で繊細な街。
僕はこの街で
たった一つのものを探していた。
そう。たった一つのものを。
物が溢れかえるこの世界の中、
一つのものしか求めない。
それは至極正しいことだろう。
何も贅沢は言っていないのだから。
多くは望まないのだから。
けれど今の僕は
そのたった一つの願いすら叶わない。
何でもあると思っていた原宿の街に
ただ一つ、欠けているもの。
愚かにも僕は、それに今、初めて気づいたのだ。
それは人の温もりだとか、
他者への強烈な関心だとか
そういうモノではなくて
もっとシンプルで
本能にのっとった
ごくごく当たり前のモノ
トイレだ。
原宿の街のトイレの欠如。
正しくは竹下通りのトイレの欠如。
いったい誰が予想しただろうか。
ごちゃごちゃと物が溢れかえり
マイナスを知らないプラス、プラス、プラスの暴力のようなこの場所に
まさかトイレが欠如しているだなんて。
僕の長年の経験を持ってしても
それは推測不可能であった。
竹下通りで
突如僕はトイレ難民になったのだ。
どの建物にもそれは見当たらなかった。
おかしい。
この街の住人は一体どうして生活しているんだろうか
やはりこの街は異質。
鍛え抜かれた人間のみが生きていける
そんな場所だとでも言うのだろうか
困った。
困り果てた僕は
気が付けばGoogleマップを開いていた。
”場所を探す”といえばGoogleマップだ。
確かにそうだ。
だがしかし…
トイレの表示なんてあるわけ…
あった。
Googleマップには何でもある。
しかしこれは…あった……のか?
スシニンジャトイレ…
スシ…ニンジャ…
なんだこの外国人ホイホイな名前は…
トイレのくせに外国人をホイホイする必要があるのか?
何か怪しい感じのトイレではないのか?
大丈夫なのか?
本当にトイレなのか?
いやしかし、マップアイコンのそれは間違いなくトイレを示しているし…
…行くしかない。
意を決した。
僕のこの限られた時間(膀胱的に)を
全て捧げる覚悟を決めよう。
例えこれが斬新な寿司屋の名前であったとしても
僕はそれを受け入れよう。
幸い場所は近そうだ…
そうして僕はスシニンジャトイレへと向かった。
普通に公衆トイレでした。
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